会長のご挨拶

 

企業の資金調達の円滑化に関する協議会は「各企業がそれぞれの信用力に応じて、世界の様々な市場から様々な資金調達手段を 自由に選択できる」ことを目指し、資金供給主体や資金調達手段の多様化のため重要と考えられる問題点について、重点的かつ   機動的に議論を行うとともに、検討結果の実現に向けて関係各方面に積極的な働きかけを行い、成果を挙げてまいりました。

 

 20134月の日本銀行による量的・質的金融緩和およびその後のマイナス金利付き量的・質的金融緩和政策等により超低金利での資金調達が可能な状態が継続しております。足元では、米国金融政策の緩和方向への転換の流れに伴う金利の一段の低下を契機

として、社債の発行が増加しており、より良好な資金調達環境であることを示しております。

 

一方で、保護主義的な政策の存在と地政学をめぐる緊張感の高まりが世界経済の安定成長の阻害要因として顕在化しており、世界各国・地域を率いる指導者たちの頭を悩ませ、また多くの企業経営者に不安を与えていると感じるところであります。金融の世界に おいても、Fintech等、既存の金融の仕組みや金融業界の勢力地図が大きく塗り替わるような技術も登場し、企業にとって変化への 適応力が求められています。

 

また、ESGSDGsのように環境問題をより強く意識した国際社会の持続的な成長に企業が貢献していくという考え方は、企業の 資金調達や財務活動においても従来以上に重要な点となっていくことでしょう。

 

このような、不確実な政治・経済環境にあって、企業にとって

    まずは自らの力でキャッシュフローを生み出し、

    持てる資金を最大限効率的に活用した上で、

    不足する部分について機動的且つ安定的な資金調達を可能とする、といった広い意味での資金調達能力の重要性は極めて高く、グローバル競争を勝ち抜いていく上での必要条件となっていると考えます。

 

世界の転換期を迎える中で、本協議会は、幸いにしてグローバルに事業活動を展開する大企業40社の資金調達関係者が集い、  抱える課題を共有し、ともに高めあう貴重な会であります。広く情報収集を行い現下の課題に柔軟に対応するとともに、必要に 応じて関係各方面へ「機動的」且つ「積極的に」働きかけを行うことにより、円滑な資金調達環境の実現という成果に繋げて  いきたいと考えております。

 

 2019年度は、本協議会が従来から伝統的に取り組んできた分野は継続的に取り組みつつ、経済・金融環境の変化を捉え会員

企業ニーズの多角化・専門化に対応し、適宜情報収集・交換・共有を行ってまいります。

 

 資金調達に関する課題の解決には、法令や制度の変更を必要とする場合も多く、個々の企業の取り組みだけでは難しい場合も 多くございます。会員企業の皆様方におかれましては、是非本協議会に積極的にご参加いただき、本協議会の運営全般に関し、 忌憚のないご意見・ご要望をお聞かせいただければと存じます。

 

 本協議会はこれからも資金調達の円滑な環境整備のために、全力を注いでまいります。

 

2019年8月

企業の資金調達の円滑化に関する協議会

会長 早川 光毅